1. まずは、簡単な「たし算」の問題

123+234+345+456+567+678+789+890+901+12

 ふつうに(最初の数から順番に)たせばいい? では、こんな問題だったら、どうしますか。

123456789+234567891+345678912+・・・+912345678

 最初の数から順番にたしていけば答は出ますが、かなり時間がかかりますね。また、計算ミスの心配もあります。

 生徒の中には、部分的に「等差数列の和」が使えることに気づく子もいるでしょう。その場合、次のように計算できます。

計算式: (12+789)×8÷2+890+901=4995

 一方、この問題を作った学校の先生は別の計算方法を想定していたと思います。それは、次のような方法です。
 10個の整数をたてに並べて筆算の要領で一の位、十の位、百の位の数をすべてたすと、どの位も和がすべて
 1+2+3+…+8+9=45
になるから、これらの10個の整数の和は一の位の整数の和が45、十の位の整数の和が45×10=450、百の位の整数の和が45×100=4500で、合計45+450+4500=4995

2. 分配法則 A×B+A×C=A×(B+C) の基本と応用

@ 26.25×1.4−0.615×14
A (1/21−1/27)÷1/3 + (1/28+1/36)÷1/4

 @は「工夫して計算」する問題の典型問題で、いろいろな学校で出題されます。式を変形してから、共通な数でくくる問題で、次のように計算します。
 26.25×1.4−0.625×14=26.25×1.4−6.25×1.4
=(26.25−6.25)×1.4=20×1.4=28

Aは@とは逆に、式を展開することによって簡単に計算できる問題です。
 (1/21-1/27)÷1/3 + (1/28+1/36)÷1/4
=(1/21-1/27)×3+(1/28+1/36)×4
=1/21 ×3−1/27 ×3+1/28 ×4+1/36 ×4
=1/7 − 1/9 + 1/7 + 1/9
=2/7


3. 《キセル算》の基本

 省略


4. 《キセル算》の応用

 省略


5. 《キセル算》の発展

 省略


6. 分数計算のコツは約分しやすい形に残しておくこと

1/123×876 − 1/123×999 − 1/876×999

 上のような計算式で分母をかけ算すると、とても大きな数になり、通分が大変です。
分母が「かけ算」の形になっているのは、3つの分数の通分をしやすくするためと考えます。そして、3つの分数の分母の最小公倍数を求めて・・・とせず、「123×876×999」を分母として通分すればよいのです。その場合、それぞれの分数は約分できますが、気にせず、約分しないでおくことがポイントです。分子の計算をしてから、約分できる場合には約分します。

 1/123×876 − 1/123×999 − 1/876×999
=999/123×876×999 - 876/123×876×999 − 123/123×876×999
=0/123×876×999
=0


7. 分数の計算では、筆算をできるだけ後回しにする。

(1/28−1/35)÷(1/35−1/42)×(1/42−1/49)÷(1/49−1/56)

 このような分数の計算式では、たとえば、最初のカッコの中は、
1/28−1/35=35/28×35−28/28×35=7/28×35
約分できても、ここまでで約分せずにおきます。
 同様に、
1/35−1/42=7/35×42、1/42−1/49=7/42×49、1/49−1/56=7/49×56
とすると、
 (1/28−1/35)÷(1/35−1/42)×(1/42−1/49)÷(1/49−1/56)
=7/28×35 ÷ 7/35×42 × 7/42×49 ÷ 7/49×56
=7/28×35 × 35×42/7 × 7/42×49 × 49×56/7
=2
 最後に、分子、分母で約分すると、結局、筆算をまったくせずに答を求めることができました。


8. 「ヒント」に気づくセンスをもっていますか。

次の□にあてはまる数を求めなさい。
@ 9+99+999+9999+99999=□-5
A 1/2+1/4+1/8+1/16+1/32+1/64+1/128=A のとき、
   1/2+3/4+7/8+15/16+31/32+63/64+127/128=□-A 

@とAは同じタイプの問題だと、気づきますか。

@ 9+99+999+9999+99999=(10−1)+(100−1)+(1000−1)+(10000−1)+(100000−1)
 =10+100+1000+10000+100000−1−1−1−1−1
 =111110−5 より、□=111110

A 1/2+3/4+7/8+15/16+31/32+63/64+127/128
 =(1-1/2)+(1−1/4)+(1−1/8)+(1−1/16)+(1−1/32)+(1−1/64)+(1−1/128)
 =1×7-(1/2+1/4+1/8+1/16+1/32+1/64+1/128)
 =7-A より、□=7


9. こんな問題を見て、お子さんはどれだけイメージをふくらませることができますか。

3×(1/9+1/27+1/81+1/243)−(1/9+1/27+1/81+1/243)

@ 分母がすべて3の倍数だから、ふつうに通分して計算してもそれほど複雑な計算にはならない。
A 前後のカッコの中は同じものだから、カッコの中の計算をした結果の2倍が答になる。
B 前後のカッコを展開すると、その後の計算がずっとかんたんになる。

@は、ふつうの子の考えること
Aは、少しセンスのある子の考えること
Bは、「数学的センス」のある子の考えること

Bの方法で実際に計算してみましょう。
 3×(1/9+1/27+1/81+1/243)-(1/9+1/27+1/81+1/243)
=3×1/9+3×1/27+3×1/81+3×1/243−1/9−1/27−1/81−1/243
=1/3+1/9+1/27+1/81−1/9−1/27−1/81−1/243
=1/3−1/243
=81/243−1/243
=80/243


(参考) 弊社作成教材「計算の工夫(011Z)」「計算の工夫(012Z)」は、上記の2〜5のタイプの問題を集めたプリントです。