志望校合格に向けて親がすべきこと〈本音で語る〉

 ご縁があってこのホームページをご覧いただいた方にはぜひ、お子さんの受験で成功をしていただきたいと思い、私(村松)の30年以上にわたる進学塾や家庭教師での指導経験をもとに本音で、はっきりと書かせていただきます。ハードな受験勉強を頑張っているお子さんのために、ぜひ、お手伝いください。
                                    
 まず、志望校対策に関しては、塾に全面的に頼ってはいけません。大手塾では男女御三家,早慶附属などのごく一部のトップ校に関する特別コースを設けているようですが、そこで行われていることは頻出領域を重点的に教えたり、過去問を宿題に出してやってあるかどうかをチェックする、わからない問題を個別に教えるという程度です。しかし、親が一番知りたいこと、アドバイスをほしいことは、何(どの領域)をどの程度まで勉強させれば合格点がとれる(合格する)のか!ということでしょう。「お子さんの受験校の頻出問題は○○ですよ。そこを重点的に勉強させましょう。」といった程度のアドバイスはもらえるかもしれません。しかし、お子さんが志望校に合格するために算数で50点取ればよいという場合と、70点必要な場合での学習内容もその勉強にかける時間も違ってきます。また、お子さんの苦手領域を志望校の出題傾向に照らし合わせて、有利なのか、不利なのかも大きな問題です。このように志望校対策はお子さんの得意、不得意領域と志望校の出題傾向との関係や、他の教科の得点力も考えておこなわなければなりませんから、塾の講師に聞いても的確な答えは得られないわけです。夏休みには、お子さんに過去問を何年分かやらせると思いますが、その答案を分析して、志望校対策を練るところから、親御さんのお手伝いが必要となります。

 私は「算数・数学」専門で、他の教科のことはあまりわかりませんが、ご参考までに少しだけふれてみます。
 「国語」について・・・たとえば、散文や文学史をよく出題するかどうかといった形式的なことは過去問をみればすぐにわかりますが、設問形態が記述式なのか、記号で答えるものなのか、あるいは記述式の問題でも、自分の言葉で答えさせる問題が多いのか、文中から抜き出させる問題が多いのかというようなことは、入試問題をしっかり読んでみないとわかりません。そして、お子さんがどのタイプの問題で得点力があるか、ないかということを把握して志望校の出題形式と比べてみる必要があります。
 「社会」について・・・すみませんが、コメントできるような経験も知識もありません。
 「理科」について・・・算数と同様に学校によって出題傾向が比較的はっきりしている教科です。とくに、物理、化学領域の出題が多いかどうかによって、理科の苦手な子と得意な子の得点力が大きく違ってきますので、お子さんの得意、不得意領域と志望校の出題傾向をくらべてみましょう。

 次に、夏以降は志望校対策にかける時間を十分に確保することです。上に書いたように志望校対策は塾では期待できないのですから、ご家庭でするしか方法はありません。そのための時間を十分に確保しなければなりません。
 これも具体的な例を上げて説明します。数年前に家庭教師として教えていたAさんとBさんはどちらもSAPIXに通っていた生徒で、Aさんは秋頃から土曜日の塾の授業は休んで志望校対策の勉強時間にあてました。Bさんは志望校のレベルを考えたときに必要でない宿題についてはやらず、その分の時間を志望校対策にあてました。2人とも塾での最終的なクラスはBクラス(4教科受験生の中では最下位のクラス)でしたが、Aさんは「跡見学園中」、Bさんは「東京女学館中」に合格し、進学しています。「志望校対策をするための時間が必要ですから、宿題の量を減らします。」と言ってくれる塾はあまりないと思います(私は知りません)。逆に、「塾の勉強をしっかりやっておれば、志望校対策などしなくても合格しますよ。」などという無責任な発言をする塾講師の話はよく聞きます。

 夏以降の公開模試の成績は気にしなくて構いません。もちろん、志望校対策をしっかりやっていることが大前提ですが。私は公開模擬試験の作問の仕事もしていますが、ここで出題する問題は特定の学校を想定して作るわけではありません。したがって、志望校の合格可能性に関してはかなりあいまいなものと判断して構いません。
 これも、具体例を書きます。「コラム5.家庭教師でどこまで伸ばせるか」(現在、このコラムはありません。別のコラムに差し替えました。)で書いたC君の例です。そこにも書きましたが、C君は夏休み以降は塾をやめて家庭教師だけで受験勉強をしました。志望校が比較的早い時期(10月頃)から決まっていたので、それ以降は志望校の傾向に即した指導を集中的にしました。総合力としては第一志望校の「逗子開成中」、第二志望校の「明大中野中」のレベルとはかなり隔たりがあり、どの公開模試を受けても合格可能性の表示は最低のものでした。それでも実際の入試ではどちらも合格しています。(合格率10%の学校を2つ受けたときに,2校とも合格する確率は0.1×0.1=0.01、すなわちわずか1%です。この表示がまったくあてにならないことがよくわかります。)志望校対策をしっかりやっていれば、公開模試や塾の定例テスト、塾内のクラスの位置などはまったく気にすることはないということです。

 埼玉県や千葉県の入試までは残りわずかとなりました。秋以降、学校行事などで十分な時間が取れず、思うように計画がはかどらないことがよくあります。志望校対策が不十分なまま、志望校の受験日をむかえるということがないように、お子さんのためにしっかりとした志望校対策のカリキュラムを立ててあげてください。