算数の苦手な子に有利な入試問題は?

まず、今年(2007年度)の入試結果からご紹介しましょう。P校、Q校とも都内の女子校で受験生の間でとても人気のある学校です。(データはそれぞれの学校のHPより抜粋しました。数値の小数点以下は四捨五入。)

【P校】

受験者平均点 合格者平均点 満点
算数 36点 45点 100点

【Q校】

受験者平均点 合格者平均点 満点
算数 62点 78点 100点
国語 66点 73点 100点
社会 21点 25点 50点
理科 25点 28点 50点

(その1) 難しい問題を出す学校の方が断然有利
P校の算数の合格基準点を40点、Q校の合格基準点を70点としましょう。算数の苦手なKさんがP校の問題で20点、Q校の問題で30点だったとすると、合格基準点との差はP 校では20点、Q校では40点になります。これだけの点数を他の教科でかせがなければ、合格できないということです。Kさんの得点は想定ですが、たとえば、Q校の問題で20点くらいしか得点できないのであれば、P校の問題では10点くらいの得点力でしょうから、どちらにしても差はあまり変わりません。苦手な生徒にとっては、合格点との差が少ないテストの方が有利なのはこのような理由です。

(その2) 「受験者平均点」と「合格者平均点」との差が小さいテストの方が有利
Q校の「受験者平均点」と「合格者平均点」との差を求めると、算数では16点ありますが、国語では7点、社会では4点、理科では3点です。これは算数で点をかせぎやすいテストだということで、逆に算数が苦手で、国語が得意な生徒にとってはかなり不利だったと言えます。

 中学入試では、テストの合計点で合否を決めていますから、上記のような問題点がでてくるのです。これを修整するものとして偏差値があり、得点をすべて偏差値に換算して合計点を出せば、学力をより反映するデータになり、受験生にとって公平かもしれません。以前はそのような得点の処理をしていた中学校もありましたが、最近ではそのような話は聞きません。

別の説明をします。弊社で販売している「学校別過去問分析表」の難易度の欄で、A、B、Cの問題がバランスよく出題されているのがQ校の問題で、A問題やC問題が多く、B問題が少ないのがP校の問題です。算数の苦手な子にとっては、受験生の間の得点のばらつきが少ない問題の方が合格基準点との差が少なくなるので有利だということです。

 まだ、過去問をはじめている方は少ないでしょうが、過去問をやってみると、いろんなことがわかってきます。学校の難易度と問題の難易度が一致しないのはもちろんですが、上記のデータからもわかるように同じような難易度(受験生のレベル)の学校であっても問題の作り方により、受験生の間でこんなにも差をつける(あるいは、差をつけない)問題をつくることができるのです。

お子さんの教科による得意、不得意と学校の問題作成傾向との相性も志望校選びのご参考になさってください。