中学入試における調査書、面接、情実入学の比重

 中学入試において調査書(小学校の成績表)、面接、情実入学(いわゆるコネ)の比重はきわめて低いものですが、その実態については学校説明会などでもはっきり説明されることはありません。
 そこで、これらについて少し補足説明しましょう。以下の説明は私(村松)の30年近くに渡る経験から得られた情報に基づくものですが、すべての学校にあてはまるものではないということは言うまでもありません。

調査書

 調査書(小学校の成績表など)を願書と一緒に提出させる学校の数は年ごとに減少しています。そのことからも中学入試における調査書の位置づけが高いものではないということが分かると思います。
 では、調査書の提出を義務づけている中学校のそのねらいがどこにあるかというと、「その生徒が中学校での生活を問題なく送れるかどうか」を調べることです。このとき、最も重視するのは『出欠の記録』です。「欠席日数」があまり多いとチェックされます(小学校にその理由を問い合わせたり、面接を実施している学校ではその理由を直接聞かれることもあるでしょう。)
 「所見欄」や「学業成績欄」はほとんど問題にされません。ほとんどの中学受験生にとって小学校での成績は問題のないものですし、「所見欄」に生徒の問題点を書く小学校の教師はほとんどいないでしょうから・・・。ごくまれに、小学校の担任との相性が悪く、成績を不当に低く評価されたり、所見欄に問題になるような書き込みをされたりするケースもありますが、中学校側もそのようなケースがあることをよく認識しており、この点を重視しないという話を聞いたこともあります。

面接

 調査書と同様に近年、面接も廃止する学校が増えてきました。こちらもほとんど入試の合否に関係ありません。調査書と同様、「その生徒が中学校での生活を問題なく送れるかどうか」をみるだけです。また、「親子面接」のある学校については、子よりも親の意識を見られます。 学校に理不尽な要求をする「モンスターぺアレンツ」は中学校としても歓迎できないからです。また、各学校とも教育理念を持っており、その理念に賛同し、学校教育活動に協力いただけない家庭を受け入れることはできないからです(私立学校としては当然のことですね)。
 なお、ある中学校の教師が「面接での評価を理由に入試を不合格にするケースは5年に1件あるかどうかという程度」と話していました。ほとんどのご家庭がその学校の教育方針に賛同されて子供を受験させるわけですから、このようなケースはほとんど見られないということですね。心配は無用といってよいでしょう。

情実入学

 情実(縁故などのいわゆるコネ)入学について。受験生の親御さんから「こどもの志望校の○○中学校には何のコネもないのですが、大丈夫でしょうか。」というご相談をときどきいただきます。心配はほとんどないと言えますが、では、コネによる入学はまったくないのかというと、そのようなことはありません。
 「理事長が親戚」、「親が卒業生」、「塾推薦」、・・・などで優先的に入学できるといった話を聞くこともあると思います。
私自身も学校関係者や親から具体的な話を何度か聞いたことがあります。一方で、「大学総長の子供が付属中学校の入試で不合格だった。」などという話もよく聞きますし、親が卒業した学校を子どもが受験して不合格になった例や兄や姉が通っていても弟や妹が同じ学校の受験に失敗というケースも無数にあります。では、実態はどうか・・・
 (ここからは、完全に私の推測です)
 情実入試をおこなっている学校がどれくらいあるかということはまったくわかりません(過去に私がその実態を知った学校は5校ですが、それらの学校についても現在の様子はわかりません)。そのような入試をおこなっている学校についても、コネによる受け入れ枠は数人〜10人程度でしょう。「合格最低点の90%以上の得点であれば合格させる」といった基準を設けているところもあるでしょう。
 「塾推薦」について。昨今の入試状況から、定員割れするような不人気校については「地元の塾との密接な関係」があるでしょう。大手塾と特定の学校との関係も噂されることがあり実態は不明ですが、人気上位校についてはおそらく「塾推薦」はないと思います。

 情実入学というのは受験生やその関係者にとっては「フェアでなく」、なくなってほしいものですが、学校側の事情や諸々のしがらみもあって難しいとことでしょうね。ただ、これだけは断言できます。

 
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、大学院と入試がありますが、その中で入試の透明性が最も高いのは「中学入試」である。

 コネなどなくてもしっかり学力をつけ、入試で合格点を取れば合格できます・・・お子さんを励まして、合格に導いてください。

(注) 特定の学校に関する情報についてお尋ねいただいても、お答えすることはできません。また、弊社「入試問題研究所」は特定の学校とのコネはありません。