2.受験勉強について

 ここでは特に「中学受験算数」の勉強方法についていろいろなテーマで書いてみたいと思います。
 受験生をお持ちの方からのご質問も歓迎いたします。メールでご質問をお寄せください(匿名可)。

方程式を使って教えてもいいの?

 「お父さんにわからない問題を聞いたら、方程式を使って教えられたので、もっとわからなくなった。」
 過去に家庭教師として受け持った何人もの生徒から聞いた言葉です。これは算数の苦手な子だけの発言ではなく、首都圏のトップレベルの進学塾で最上位のクラスにいた生徒も同じようなことを言っていました。お子さんに算数を教える際には、お子さんが塾などで習った方法で教えるのがベストですが、どうしても方程式を使って教えたい(?)という方は『移項や負の数』を使わずに教えてください(線分図を使うと説明できます)。あまり、お勧めしませんが・・・。蛇足ですが、方程式を使って解くよりも速く、方程式を使わずに簡単に解けるのが、算数のおもしろいところです。
こんなこともありました。某理科系の大学教授が自分の息子から尋ねられた食塩水の問題を方程式を使って自分で解いてみたら30分もかかったとか。。。お子さんのためにも、お子さんの理解できる方法で説明してあげるのが一番ですよね。

毎日、少しずつでも計算問題をやらせたほうがいいの?

 5年生まででしたら、YES。6年生は、NO。5年生までに十分な計算力をつけられれば、6年生になってから計算問題だけをあえてやる必要はありません(と、私は生徒の親に話しています)。私の子は計算が遅くて・・・という方。単純に暗算を含む計算力不足なのか、あるいは、計算方法の間違いや計算の工夫が足りないのかを、お子さんのノートをみてチェックすべきです。特に、帯分数の足し算、引き算をする際に仮分数に直してからやる生徒が非常に多く見られます(学校や塾でそのように教えているのでしょうか?)。仮分数にすれば、扱う数字は大きくなるのですから、時間も多くかかり、それだけ計算ミスをする可能性が増えるのは当然ですよね。また、私の子は計算ミスが多くて・・・という方。途中経過を計算式の上や下に書かせていますか。検算をする際に利用すれば、計算に費す時間はずっと少なくなりますよ。再び蛇足ですが、ご参考までに中学受験問題をみて、学校側が受験生に高い計算力を要求しているなと思えるのは、首都圏の中学校では双葉中、芝中くらいのものです。

公式をどこまで教えるべきか?

 以前、あるお母さんから「先生の本には、チェバの定理やメネラウスの定理は載っていないんですね。」と、言われたことがあります。そのお母さんの子供の通っていた塾ではこんな定理まで教えていたのでしょう。これらの公式自体は覚えやすいものですから、子供に教えるのは簡単です。しかし、その公式の導き出し方を理解することは小学生には不可能です。そんなことは必要ない。ただ、問題を速く正確に解ければいい、という考えの教師は「すごい裏技だよ。覚えておくと便利だよ。」などと言ってこんな公式まで子供に教えるのでしょう。また、教育関係の本をたくさん書いているあるお医者さんのように「数学は暗記科目」と考える教師は迷うことなく公式として覚えてしまうことを子供に勧めるのでしょうね。算数や数学の解法に魅力を感じている私としては、解法を暗記などしてほしくはありません。チェバの定理を使えば1分で解ける問題を、補助線を引いて小学生の知識で3分かけて解かせればいいんじゃないですか。高校の教科書に載っている問題を小学生の知識で解けるというところが算数のおもしろいところで、そこを割愛してしまってつまらない授業をしたいとは私は思いません。
 今までに私が関わった算数嫌いな生徒で「嫌いだった算数が好きになった。」といってくれた生徒はたくさんいます。それは、私が問題を解く過程を重視し、1つの問題に対していろいろな解き方を子供に提示し、算数のおもしろさを子どもと共感しているからだと思います。
 算数は暗記科目ではなく、公式として暗記しなければならないようなものは少ししかないというのが、私の考えです。みなさんはどう思われますか。