『中学入試で要求される計算力』について

 ほとんどの中学校の「算数」入試では、問1で数題の計算問題が出題されます。そこでは受験生の得点差をつけるために、さまざまな工夫がなされています。下の計算問題はその一例(某中堅校の入試で出題された問題)で、弊社でお受けしている計算添削指導プリントの中から抜粋したものです(現在、プリントを再編集し、下記の問題は除いてあります)。これを用いて、「中学入試で要求される計算力について」説明させていただきます。



(解答例@)
 無料体験添削指導をお受けいたいただ生徒の大部分はこの方法で計算していました。そして、そのうちのほとんどの生徒が正しい答を出せませんでした。この方法では3種類の4けたのかけ算とひき算をしますから、どこかで計算間違いをしてしまいます。この計算方法は最もよくない方法で、実際の入試でこの方法しか思い浮かばなければ、とりあえず「後回し」にしてもよいでしょう。


(解答例A)
 このように計算していた生徒は何人かいました。この計算方法は解答例@とだいたい同じですが、1233×1234の筆算をする必要がないという点で、解答例@よりもよい方法です。

(解答例B)
 『分配法則』を利用して式を展開して計算する方法です。このように計算した生徒はほんのわずかですが、いました。この方法で解くと筆算の量は解答例Aと同じですが、実際には最初の式は頭の中でできますから、計算にかかる時間は解答例Aよりも少なくてすみます。
 おそらく、作問担当者は受験生に解答例AまたはBの方法で解いてもらうことを想定してこの問題を作ったのでしょう。

(解答例C)
 カッコ内の2つの分数を帯分数に直すとどちらも整数部分が1になりますから、まず、2つの分数からその部分を取り除きます。次に、『分配法則』を利用して式を展開すると、どちらも約分して分数部分がなくなりますから、最終的には4けたの整数のひき算となり、結局、筆算をすることなく答をだすことができます。これが最も優れた解法で、このプリントを作りながら「まさか、こんな解き方をする生徒はいないだろうな」と思ったのですが、何と1人(女の子)いました。感心してしまいました。

 なお、これと同じような工夫をする問題で、次のような問題があります。お子さんにやらせてみませんか。弊社にFAX(03−3925−2253)していただければ、採点して差し上げます。
(類題)
3/2+7/6+13/12+21/20+31/30+43/42+57/56+73/72+91/90 を計算しなさい。
(キセル算とよばれる問題の応用問題です。なお、3/2は分数「2分の3」のことです。以下、同様)