中学受験の常識を斬る

中学入試一般

 1−1 受験勉強は低学年から?

 中学受験で必要な知識を獲得するのに必要な期間は1年間で十分です(理社は半年で間に合います)。最長でも2年、それ以上は必要ありません。「昔と違って最近では入試問題が難しくなってきたので、昔よりも長期間にわたって勉強する必要がある。」というのはまっかな嘘です。少なくとも算数については難しくなってはいません。何年にもわたって勉強するような内容ではないのです。

受験勉強一般

 2−1 志望校対策は不要?

「偏差値の高い学校の入試対策をしておけば、それよりも低い学校の対策は不要」などという暴論を吐く塾教師が少なくないようですが、とんでもありません。過去問を見ればわかるように、問題の出題形式も傾向も学校によって様々ですから、それぞれの学校に合った対策が必要です。では、なぜ、塾の教師はこのような暴論を吐くのか・・・それは簡単です。塾ではそこまでフォローできないからです。だから、このような嘘を平気でつくのです。
塾の夏期講習などで「開成中学○○講座」、「桜蔭中学△△講座」、・・・のあとに「有名中学□□講座」などを設けている理由もこれと同じです。雙葉中志望の生徒と学習院女子中志望の生徒を一緒のクラスにするのは、たんに塾の都合です。

算数の勉強法

 3−1 計算は毎日やる?

 5年生くらいまでの時期に、勉強の週間と基本的な計算法則をマスターするために『計算ドリル』のようなものを毎日やるのはよいでしょう。しかし、6年生になってからも「計算力をつけるため」や「計算ミスを減らすため」に計算問題を毎日やるのは、時間の無駄です。いろいろな問題を解く中で計算力は徐々についていきます。


 3−2 計算をたくさんやっても「計算ミス」は減らない!

 3−1に関係しますが、四則計算を学習したばかりで、基礎的な計算力がついていない場合、計算をたくさんやるのは必要です。しかし、基礎的な計算力がついた後も「計算ミスが多い」といった場合、その原因を見つけることなく、時間をかけて計算練習を繰り返していても一向に計算ミスは減りません。一例をあげましょう。
 1/3+1/6+1/18+1/63
という計算は一般的には分母の最小公倍数で通分してから分子のたし算をしますが、@最小公倍数を求める。A通分する。B分子の足し算をする。C分数の約分をする。という4つの作業をする中で大きな数字を扱いますから、計算ミスを誘発する原因となります。このタイプの問題の一番よい解き方は『全部まとめて通分しない!』ということです。
 1/3+1/6=3/6=1/2  1/2+1/18=10/18=5/9  5/9+1/63=36/63=4/7
と計算すれば、通分も簡単ですし、3けた以上の大きな数の計算をせずに答えを出せます。このような‘計算技術’を身につけることが計算ミスを減らすのにとても役立ちます。


 3−3 「○○中」と「△△中」の算数の入試問題は似ている?

 「○○中」と「△△中」の算数の入試問題は似ているから、「○○中」の受験を考えているのであれば、「△△中」の入試問題をやっておくとよい。
塾の教師からこんなアドバイスを受けることもあるようです(弊社にもこのような問い合わせがときどきあります)が、これは随分無駄の多い不適切なアドバイスです。おそらく最近の問題であれば書店で入手しやすいから、このようなアドバイスをするのでしょうね。
志望校対策をする時期に受験する予定のない学校の過去問などする必要はまったくありません。受験校の古い過去問をアマゾンやヤフオクなどで入手してやるのがよいでしょう。
 ただし、出題傾向や難易度、解答の形式(答えのみ→途中式記載)が変わった学校については古いものをやる必要はありません。たとえば、市川中、渋谷渋谷中、法政大学中、早稲田実業中などです。
 入試を1回しか実施しない学校については昔から傾向や形式がほとんど変わりませんから、古い年度の入試問題を入手してお子さんにやらせるのが最良の入試対策となります。


 3−4 志望校の過去問をくり返し解くのは、時間の無駄!

 塾で、「志望校の入試問題は最低3回繰り返しなさい。」などと言われることがあるようですが、これほど無駄なことはありません。入試問題には典型的な問題と独創的な問題があり、そのうち類題を作りにくい独創的な問題(特に難問)についてはくり返しやる必要はまったくありません。また、典型的な問題であってもその生徒にとっての『捨て問』であれば、できなくても構わない問題ですから、これもくり返しやる必要はありません。
 入試問題は最初にやってできなかった問題のうち、その生徒にとって合格点を取る上でできなくてはならない問題だけです(これを判断する材料として弊社では「過去問分析表」を作成し、販売しています)。